阿佐飯

阿佐の飯に関するあれこれ

トンカツは揚げられる。あなたが平凡なら、なおさら

 

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それは脂の味がした。

 

これは個人的な感覚なのだが、この世に広く存在するトンカツという存在は、人間を超えた何者かたちだけが作ることのできる、超越飯なのだと思っていた。

 

超越飯。

 

語感が気に入ったので大文字にしてみたが、特に意味はありません。

 

 

 

超越飯とは

通常の飯を超越した飯のことである。

 

大見出しまで使って主張してみたが、まったく意味はありません。

 

なんといっても、トンカツである。トンカツと言えば、外食のイメージで言うなら、なんだか由緒正しそうな和食の店にて、1野口か2野口かそこらのお金を払って食べるような、そう、めちゃめちゃ高級だとは言わないまでも、それなりのレベル、中堅クラスのポテンシャルを秘めた飯である、という印象が阿佐にはある。

なんか、地味~に、手が届きづらい。定食とか丼物とか、洋風で言えばパスタなど、そういうものにはさっと手を出せるものだが、ことトンカツとなるとそうもいかない。

ただ単に阿佐が外食に慣れてないだけというのもあるが、まあともあれ、トンカツが超越飯だという話である。

 

トンカツは、豚肉に衣をつけて揚げるだけ。実にシンプルな飯であるが、シンプルなのに、強力である。

油で光が乱反射し、宝石さながらのきらめきを醸し出す衣。あの一切れを箸でつかみ、その確かな弾力を感じる。そこに好みの調味料をつけて、茶碗いっぱいの白飯に、ポン、ポン、と軽く触れさせ、ついに口の中に放り込む。

思い出してほしい。あの体験を。調味料の味が舌を伝い、それが消えてゆく前に、歯の間の肉から染みだした肉汁とも脂ともわからない、もはや『幸福』とでも呼ぶべき味覚体験を。口内に沁みるようにとろける旨味と、肉本来のほのかな甘味。そのまま広がりつづけて、薄れゆく残り香を手放さんとし、焦燥に駆られ白飯を放り込む、あの刹那の緊張を。

 

最高じゃないですか、トンカツ?

 

そういうところが超越飯だと思うのである。阿佐は。

 

 

 

そんな超越飯トンカツを

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このたび、自宅で作ってみました。

 

ま、さっきも言いましたが、トンカツの作り方というのは実にシンプルである。

あまりに簡単すぎて、「こんな少ない手間でこんな超越飯が作れていいのか!?!?」と興奮したものだが、作れます。普通に。

と言っても、我が家はIHヒーターを使っているということもあり、揚げ物調理でもっとも神経を使うであろう温度調整(ルビ:セルシウス・コントロール)の必要がなかったので、比較的簡単に作れたというのもあるかもしれない。自動で調整してくれるのでね。

 

そういうわけで、ガスコンロをお使いの方にはいまいち参考にならないものと思うが、そもそもこのブログを料理の参考に使おうなどという方はいらっしゃらないと思われるので、安心してレシピに入ろうと思います。

 

 

 

◎材料(1枚分)

豚ロース肉 1枚
塩こしょう 全体にまぶせるくらいの量
小麦粉 全まぶ量(※略式詠唱)
溶き卵 1個分(※たぶん余ると思うが、卵であるがゆえに0.5個とかできないのがつらいところ。余った分は適当に食べたりなんだりしてください)
パン粉 全まぶ
揚げ油 トンカツがちゃんと浮くくらいの量(※多めの方が良いと思われる、当方は1000g以上使った。そもそもうちのIHヒーターは900g以上の油を使わないと調理を許してくれないのである。まあ温度が上がりすぎて火災の危険があるよということなので従っているが、もう少し寛容になってくれても良いのではと思いはする。しかしそうそう火事を起こすわけにもいかないので素直に遵守しているが、それにしても900gは多(中略)そうして僕は旅に出た。ポケットはなけなしの小銭でいっぱいだ。これからどんな出会いが待ち受けているのだろう。僕は息を吸って、新たな始まりに胸を躍らせるのだった。~第一章 完~)

 

 

◎作り方

  1. 下ごしらえとして、豚ロース肉に塩コショウをまぶし、全体によく塗りこんでおく。そのまましばらく放置。放置する時間は特に気にしなかったが、10分とかそれくらいでいいと思う。また、揚げる前までに冷蔵庫から出して放置し、常温にしておくと火が通りやすいらしい。余談だが、ステーキとかもそうらしい。

  2. 下ごしらえを終えた豚肉に小麦粉をまぶす。全体にまんべんなくまぶしてから、余分な粉をはたいて落としておく。こうすると後々パン粉がはがれにくくなるみたいな話を聞いた。まあ何事も余分なものは削りましょうということであろう。

  3. 小麦粉の次は溶き卵をつける。こちらもある程度卵を落としておくとよい。

  4. その後にパン粉をつける。これは多めにつけると吉。らしい。さくっとした方が美味いじゃないですか、とかそういう感じだと思う。知らんけど。

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    こちらがここまでの調理写真。特に珍しくもないので、次行きます。

  5. 揚げ油を鍋に入れ、加熱し、170~180℃くらいにしておく。温度の見分け方はいろいろあるらしいですが、阿佐はあんまり詳しくないです。日清のHPに情報があるのでそちらを参照するとよろしい。

  6. 鍋に衣をつけた豚を入れる。2分ほど経ったところで裏返し、また2分ほど揚げる。あとは衣の色とか、音とかを聞いて揚がり具合を判断する。こちらもやはり日清のHPにいろいろ載ってます。参照。感覚としては、表2分、裏2分、追加2分でフィニッシュ。

 

 

 

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ね、簡単でしょ?

 

 

当方、まともな揚げ物調理というのはこれまでやったことがなく、今回が初めての経験となったわけだが、それでも相応のクオリティのものができたので、トンカツは初心者向けの揚げ物なんだなと思った次第。

ありがとうクックパッド。ありがとう日清。レシピとアドバイスあっての成功である。ありがとう。これからもご教授お願いいたす。

数で勝負な唐揚げやコロッケ等と異なり、揚げるのも1枚だけで済むので、調理時間も非常に短くてありがたい。今後ともお世話になろうと思う。

 

 

余談ですが、揚げ終わった後の油はオイルポットに入れてある。この後何度か使っているのだが、どうも鍋が新品だからなのか、明らかに鍋の塗装が取れていると思われる感じの黒色に変わっているので、さっさと捨てて新しい油に変えようと思っています。油固めるやつも買ってある。そう。俺は。油を捨てる。以上です。お疲れ様でした。

 

あれ? なんか外でサイレン鳴ってんな。火事かな。