阿佐飯

阿佐の飯に関するあれこれ

鶏ガラに命を感じつつ、儚く過ぎゆく春は雨

 

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いい写真が撮れたと思う。

 

 

ここ最近、学会という名の魔物に平和な阿佐の日常は脅かされつづけていて、満身創痍のソイヤソイヤみたいな気持ちだったのだが(?)、先日ようやく終わりまして、生活にゆとりが出来てきたところ。

その間は自炊に割ける時間がほとんどなかったものの、作り置きのおかずを大量に作っていたのが功を奏し、食事面については特に苦労もなしであった。

 

っていうか、まだちょっと残ってる。作り置きの飯。どんだけもつんすか。さすが冷凍。

冷凍の力に疑念をお持ちの方がもしやいらっしゃるかもしれないが、いやマジで、すごいですよ彼は。冷凍庫を冷凍食品とアイスたちの溜まり場としてしか使っていないという方は、ぜひもっと彼の力を頼ってあげてほしい。必ずやあなたの役に立つことでしょう。あとジップロックも。

 

 

さて、冒頭の写真は自作のいわゆる麻婆春雨で、四月の終わりごろに作ったのだが、個人的に先月ではピカイチのクオリティを誇る飯となった。

レシピその他はいつも通り下に載せようかと思いますが、その前に今回、ちょっとしたチャレンジをしてみたので、その報告から。

 

どういうチャレンジかっていうと、鶏ガラで出汁をとりました。

 

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普段から料理に慣れている方、特に「ラーメン作るの大好き!」みたいな方にとっては、こういう光景もおなじみのものかと思われる。当方はこれが初鶏ガラとなった。いろいろとショッキングだったりなんだったりな経験だったので、ご報告を。

 

 

スーパーで肉コーナーを散策していた際、ボリュームの割に安すぎるパックがあったので、「なんじゃあ、こりゃあ……」と半ば松田優作になりながら手に取ると、それは鶏ガラであった。

昆布とかつお節の出汁なら何度かとったことがあるのだが、鶏ガラはいまだ見ぬ境地だったので、この機会にやってみるかと思いやってみた、というのが今回の流れ。

結果、成功したのかどうかは正直ようわからん。まずくはなかったので、いいんじゃないかなと思っています。ただもうちょい手順を見直せばもっと美味く作れたのでは? という気もするので、いずれの再チャレンジが待たれる。

 

 

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こちらが鶏ガラ投入直後の写真。わかる人が見れば、「ははぁん、ミスったな」と思われるであろう写真である。いや、わかる人じゃなくてもだいたいわかるとは思うのだが、鶏ガラをまるごと入れてるところがアレ。

 

鶏ガラの調理は、まず下ごしらえとして、肉についた内臓と血合いを取り除くことから始まる。

もっとも、今回買ったものはその辺の処理がしっかりされていたようで、内臓も最初からついてなかったし、血合いもほぼなかったっぽい。「っぽい」というのは、正直に申しあげると、どこが血合いでどこが血合いじゃないのかよくわからなかったからである。念のため多めに削りはした。

 

油でぬるぬる、匂いがえぐえぐ、って感じでだいぶ時間はかかったが、とりあえず処理を終えたので、お湯に投入。っていうのがさっきの写真。

この後、鶏ガラについて情報収集(Google検索)しながら調理し、「細かく切った方がいいよ」というのを見かけたので、途中で取り出して切りました。で、ひとつ前の写真に戻る。

 

 

今回初めて鶏ガラなるものを扱ったわけですが、これがまた、想像以上に生命である。

生命と言うのは、ようは見た目が……という話なのだが、これから美味しくいただこうという相手にグロだのテスだのクだの言うのは気が引けるので、ここでは生命と表現させていただく。生理的嫌悪感から目をそらしていこうな。

 

鶏ガラは大きく2つの部位、首ガラ胴ガラに分かれるらしい。

cookingmaniac.net

 

こちらの記事に詳しい写真などが載っています。苦手な方は気をつけて

 

当然のことながら、見た目がやっぱり……生命。生命なんですよ、ええ。

いったん細かく切ってしまえばそうでもないのだが、原形をやや保っている状態の鶏ガラというのは、とても生命である。

よく「『いただきます』という言葉は、生き物の命に感謝する言葉なんですよ」的な道徳的教えがあるが、それがこう、ここにきて深めのボディブローを食らわせてきた感じ。優しい顔して重てぇでやんの。でも大丈夫。心のノートが僕の腹部を守ってくれた。何気に厚いから、アレ。

 

 

そういうわけで、さまざまな意味で鶏ガラは強かったが、なんとか戦いは終結し、我々は鶏ガラスープを手に入れた。またいつか戦いたいと思う。

そんなこんながありまして、引きつづき麻婆春雨の調理にまいります。

 

↓参考レシピ

chefgohan.gnavi.co.jp

 

 

◎材料(3~4食分)

春雨(乾燥) 60g

挽き肉 160g

豆板醤 大さじ1

味噌 大さじ1

(※甜麺醤の代わり。我が家ではマルコメの液体味噌(液みそ)を使っている。使い勝手が良くて便利です)

砂糖 数滴

(※これまた味の素の液体砂糖(パルスイート)を使っているため「数滴」という表現に。ほんのちょびっと入れる感じでいいと思う。粉状なら小さじ0.2とか?)

 大さじ1.5

しょうゆ 大さじ3

にんにく 1~2 cm

ネギ お好み

(※残ってたネギをすべて入れたので何gか不明。多いくらいでちょうどいいかも)

鶏ガラスープ 600cc

(※先ほどの鶏ガラからとったもの。コンソメ等でも代用できると思う)

ごま油 大さじ1(炒め用)、数滴(仕上げ用)

 

 

◎作り方

  1. まず下ごしらえとして、春雨(乾燥)をお湯に漬ける。参考レシピにはぬるま湯でとあり、シェフの仰ることなので、そっちに従った方が良い感じになるんだと思います。春雨がそこそこ柔らかくなり、食べると歯ごたえ強めな感じになったら水を切る。春雨にもよると思うが、漬け時間は1分半から2分とかそれくらいだったと思う。水切り後の春雨はボウルに入れて準備。

  2. 調理開始。フライパンに油(今回はごま油使用)を入れて中火に加熱し、まずは挽き肉を色が変わるまで炒める。

  3. 色が十分に変わったら、豆板醤と味噌を投入し、火を弱火にする。肉に絡めながらゆっくり炒める感じ。参考レシピでは「香りが出るまで」とあるが、当方香りとかあんまりわかんないので、なんとな~く香りが上の方まで漂ってきたなと思ったらOKということにした。言うても換気扇をつけているので、嫌でも香りは立ちのぼってくるわけだが。まあ、勘でお願いします。

  4. 酒、砂糖、しょうゆ、鶏ガラスープ、春雨を順に入れていく。若干火を強めて中火にし、しばし煮込む。今回はどれくらいがちょうどいい水加減なのかわからず、少々長めに煮込んでしまったが、それでもそんなに問題はなかったようである。春雨は思った以上にスープを吸い込むやつなので、水分けっこう残ってんじゃんってくらいでちょうどいいと思う。

  5. 十分煮込んだらネギを入れ、ごま油を数滴かけて、火を止めて完成。

 

 

 

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だいたいこんな見た目になりましたよの図。

 

参考レシピほど赤い見た目にはならなかったので、豆板醤はもう少し足してもよかったのかもしれない。味は十分辛いと思うんだけど。

あとやはり、甜麺醤をちゃんと使うべきなのかもしれない。でもなぁ、甜麺醤の使いどころがまだよくわかんないんだよなぁ……豆板醤も麻婆なにがし以外で何に使うのかよくわかんないし。

ともあれ、味はたいへん美味でございました。ありがとう陳健一シェフ。こんな私でも麻婆春雨作れたよ。次は青椒肉絲とか教えてね。

 

 

そんな具合で、久々の自炊記録は終了である。お疲れ様でした。

今後もきっと自炊の中で、生命を感じる瞬間に幾度も立ち会っていくのだろうと思う。そういう一瞬一瞬の感傷を大事にしてこそ、感受性とか、道徳心とか、そういうのが成長していくんだと思うし、なによりやっぱり、自分の手や目で経験するっていうことは、創作に関わる人間にとって重要なんじゃないかということを、改めて再確認した、そんな時間であった。

 

こういうちょっと真面目な雰囲気で、この記事は終わりです。

さあ、これで鶏ガラを心置きなく小説に出せるぞ! あるかな? タイミング。